凝縮 〜あかね空〜
公開日 : 2007年04月11日 13時12分
最近、小説やコミックを原作とした映画が増えてきたように思えます。みなさんは、原作を読んでから映画を観る方ですか? それとも映画を観てから原作を読む方ですか? 私は、原作を先に読むこともありますが、映画の足跡をたどるかのように後から原作を読むこともあります。割合的には半々でしょうか。今回ご紹介する「あかね空」(原作 山本一力 監督 浜本正機)は、原作を先に読ませていただきました。
正直なところ、原作を先に読んでしまっていると、自分の頭の中に、登場人物のイメージが出来上がってしまいます。それゆえに、映画として出来は良くても、自分のイメージと大きくかけ離れてしまってがっかり・・ ということも多々ありました。本作も期待とともに一抹の不安感を抱きながら、銀幕に見つめました。 しかし、その不安は、映画の始まりとともに、消え去りました。原作に流れる時空を大胆に組み替えたストーリー展開、それでいながらも、登場人物一人一人のキャラクターを活かした物語の構図、そして、当時の雰囲気を醸し出す絶妙なロケ地選びと抑制の効いたコンピュターグラフィックの映像。本作は、400ページという長編小説から練り上げれた、小さいけれど、とろけるような優しい食感の、熟練職人がつくりあげた京豆腐のような一作でした。
「平気!平気!」
本作を観終えた後、中谷美紀演じる京豆腐屋のおかみ、おふみのこの口ぐせを思わず口ずさんでしまいました・・・