バリアフリー 〜「ヘレンケラーを知っていますか」〜

公開日 : 2007年08月10日 18時46分

 「詩とメルヘン」という雑誌をご存知ですか? それはアンパンマンで有名な、やなせたかしさん編集の読者参加型雑誌でした。この雑誌を知ったのは高校生の時、美術の授業で。以来、愛読者というわけではないけれど、本屋で見かけるたびには立ち読みしていたものでした。そんなある日、その雑誌に金子みすゞさんの童謡詩が紹介されていました。当時、人間関係に悩んでいた私の乾いた心に、その詩の一行一行がオアシスの湧き水のようにしみ込んでいきました・・・  

 「明るいほうへ 明るいほうへ」 今まさに、一人の少年が自らの命を絶とうとしている瞬間のことでした。山の中にひっそりと建っている一軒家から、老女の声が聞こえてきます。それは、金子みすゞさんの詩。ふと、その老女の声に耳を澄ます少年。それが、二人の出会いでした。若い時に、聴覚と視覚を失った彼女の生きてきた半生、それは、現代っ子の少年の想像を絶するものでした・・・   

 ここ数年、公共施設や娯楽施設など、ハード面でのバリアフリーは確実に進んでいます。しかし、それだけで良いのでしょうか? 作中にでてくる「みんなちがってみんないい」このみすゞさんの詩を聞いた時、それぞれの違いを認め合うとともに、互いのハンディを補っていく心のバリアフリーの大切さを実感しました。