ロスタイム〜「22才の別れ」〜

公開日 : 2007年08月26日 12時10分

  青年と中年の境界線は、何歳なのでしょうか。30代半ば、それとも40歳になった時?もっとも、それはその人の生活や仕事の環境によって変わってくるはずで、一概に何歳と断じるのは難しいのではないかと思います。未来のことよりも過去のことを振り返ることが多くなった時、それが中年への第一歩ではないでしょうか。本作の主人公はまさに境界線を一歩、踏み出そうとしていました。一曲の歌に導かれて。

 

 川野俊郎、44歳。貿易会社で働く彼は、いまだに独身ではあるけれど、それなりに優雅な生活を送っています。そして、一緒にお酒を飲む仲の良い女友だちもいました。しかし、心のどこかに、ちょっと空洞がありました。そう、何か忘れ物をしたような空虚感が。そんなある日、コンビニの女性店員が口ずさむ歌が、俊郎の心の隙間に染み込んできました。そして蘇る22年前の記憶。その曲は「22才の別れ」でした・・
 

「30代も半ばを過ぎると、いろいろなしがらみがつきまとい、昔のように冒険をする気力が失せてくるよ・・」ある時、友人がそうぼやいていした。「ある意味、残りの人生はロスタイムかな」とも。ロスタイムだっていいじゃないですか。最後の最後まであきらめずに、ボールを追いかけていけば、逆転決勝ゴールの可能性もあるのだから。