背中は・・・ 〜「サウスバウンド」〜
公開日 : 2007年10月24日 10時43分
まだまだ若い若い、そう思ってはいるものの、押し寄せる年波を実感させられる時があります。それは学生時代の友人と再会した時のこと。「おっさん、おばさんになったものだなぁ」 思わず苦笑が漏れてしまいます。もっとも、相手の顔は鏡にうつった自分自身でもあるのですが。そして、それ以上に痛感させられるのが、考え方がみんな“大人”になってしまったこと。「今の若い奴ときたら・・」 酒を飲むとそんなため息が漏れてきます。そんな疲れ切った、“大人”たちの目を醒ませてくれる男が現れました、それは、本作の主人公!
「ナンセンス!」 これは上原二郎の父、一郎の口癖です。納得いかないことがあると、その一言でばっさり切り捨てます。と言っても、傍らで見ている二郎は、ハラハラドキドキ。なぜなら、一郎が立ち向かっているのは、二郎の通う小学校の先生や、お役所の人たち。「お父さん! 恥ずかしいから・・」 しかし、そんな言葉に耳を貸すお父さんではありません。インターネットで調べてみると、お父さんは若い頃、とある運動のリーダーだったとのこと。そんなお父さんを、優しく見守るお母さんも「ジャンヌ・ダルク」という別名が。どうやら、うちの両親は、他の家とはちょっと違うみたい。そんなある日、お母さんは宣言します。「我が家は、沖縄の西表島に引っ越すことにします!」 そこはお父さんの故郷。はたして、南の島でどんな騒動、いや出来事が待っているのでしょうか・・・
最近、新聞やニュースで盛んに報じられるさまざまな不祥事。“大人”たちの起こした犯罪は目を覆いたくなるものばかり。もっとも、実社会では、悪いと思っていても、勇気を出して異議を唱えるのが難しいのも事実です。しかし、そんな世の中に響く「ナンセンス!」の言葉。それは、今の世の中から消えつつある、頑固親父の力強い背中のようでした・・・