勇気   〜「ペルセポリス」〜

公開日 : 2008年01月28日 15時33分

 子どもの頃、21世紀といえば、夢の輝いた世界を思い描いていました。さすがにドラえもんは期待していませんでしたが、空飛ぶ自動車や、不死の薬等々が発明され、快適な生活が保証されていると思っていたのです。しかし実際は、便利の代償か、何かと世知辛い日常が私たちを囲っています。そんな今、私たち現代人を励ましてくれる作品に出会いました。それが本作。

 

  ブルース・リーとロックミュージックが大好きな女の子、マルジ。お父さんとお母さん、それにおばあちゃんの愛情に包まれて今日も元気一杯。でも、最近、お父さんお母さんはじめ大人たちは、何だか深刻な様子。それに、街ではお兄さんお姉さんたちがデモ行進。それを阻む軍の銃声も。物語の舞台は、1970年代後半のイラン。今まさにイスラム革命が進行していたのです。
 「マイケル・ジャクソン!堕落のシンボル!」革命後は、街も学校も大きく様変わり。国王独裁よりも良い世の中になる。みんなそう信じていたのに実際は前よりも・・大好きな音楽も否定され、ヴェールの着用も義務づけられます。そして尊敬していたコミュニストのアヌーシュおじさんも逮捕されます。しかし、お父さんお母さん、そして、おばあちゃんのマルジへの愛情は少しも変わりません。それに励まされ、マルジは自分の信じた道を歩もうとするのですが・・・

 

「恐れが人に良心を失わせる。恐れが人を卑怯者にもする。お前は勇敢だ。私は誇らしく思うよ」
 傷つきながらも前向きに、信じた道を進むマルジ。そんな彼女に、おばあちゃんはそう言って励ましてくれます。その言葉に微笑むマルジ。例え、今、苦しくても自分の信じた道を真面目に生きていけばいつかきっと・・本作を観終えた後、少し勇気がわいてきました。