調和〜「歓喜の歌」〜
公開日 : 2008年02月11日 16時29分
祖父の好物のひとつに「ご馳走焼き」がありました。と言っても、それはごく普通の「お好み焼き」のこと。お肉に野菜、卵、そして時には海老と、豊富な具がいっぱいの「お好み焼き」は、確かに「ご馳走」なのかもしれません。新作落語を原作に、華麗なコーラスをも盛り込んだ本作は、まさに映画の「ご馳走焼き」ではないでしょうか?
毎年、年末になるといたるところで奏でられる「歓喜の歌」(第九)。今年の大晦日も、この曲で締めくくられるはずでした。一本の電話が文化会館にかかってくるまでは。「主任、今、電話で話したのは、みたま町コーラスガールズですよね。こっちに書いてあるのは、みたまレディースコーラス」。時に12月30日。本番の前日に発覚したダブルブッキング。「どうせ、おばさんが暇つぶしでやってるものだから・・・」 主任の飯塚は甘くみていたものの、二つの合唱団の人々はカンカン。
「ダブルブッキングって、3分間クッキングと訳が違うんだから!」
無理もありません。舞台に向けて団員たちは錬に錬を重ねてきたのだから。こと流れ主義の飯塚も、団員たちの情熱によって、失われていた仕事に対する「誠意」が徐々によみがえってきます。団員たちと、東奔西走しながら事態解決に走る飯塚。残された時間は、1日。果たして、大晦日に「歓喜の歌」の歌声は響くのでしょうか・・・
どんな高級な食材を使っても、その取り合わせを間違えると美味しくはありません。合唱と同じく調和が大切なのです。それは人間関係も。銀幕で映し出される合唱の音色を聴きながら、ふと、そう思いました。