消しゴム 〜「君のためなら千回でも」〜
公開日 : 2008年03月14日 10時33分
「人生に消しゴムはない・・」 これは友人から贈られた言葉です。思い出したくないような出来事を、日記帳の文章のようにゴシゴシと消し去ることはできません。人は、その過去をどうやって乗り越えていくことができるのでしょうか? 本作の主人公、アミールにとって、それは・・・
舞台は1970年代後半のアフガニスタンに遡ります。平和な日常生活の中、人々はささやかな幸せを享受していました。そして、元気一杯な町の子どもたちの関心事は、凧揚げ合戦でした。裕福な家の子のアミールと、その家の使用人の息子ハッサンは、身分の差を越えて大の仲良し。二人して凧揚げ合戦に挑みます。「君のためなら千回でも」ハッサンの献身的な努力で二人は凧揚げ合戦の勝者に。大人たちの祝福に包まれ喜びの絶頂にいるアミールとハッサン。しかし、そこに落とし穴がありました。ハッサンは民族的差別を受けていたのです。虐待されるハッサンを傍観することしか出来ず自責の念に駆られながらも、素直に謝ることができないアミール。やがて、二人の友情に小波が。その頃、大人の世界にも荒波が襲います。ソ連軍の侵攻が始まったのです。歴史の波に翻弄され、離れ離れになる二人。
それから、20数年の時が流れます。アメリカで作家としての地位を築き始めたアミール。そんなある日、故郷から一本の電話が入ります。「帰ってこい」。過去の忌まわしい思い出が、アミールに蘇ります。「今からやり直せる」 果たして、アミールはハッサンの友情に応えることができるのでしょうか・・・
今までの人生を振り返ってみると、後悔の連続と言っても過言ではありません。でも、どんなことがあっても、生きている限り、新しい1日はやっていきます。過去を反省し、その経験を明日にどう活かしていくのか、それが大切なのではないだろうか。ラストシーン、サンフランシスコ上空に活き活きと翻る凧を観ながら、そう思いました。